壬子会百周年記念事業講演会・祝賀会(お礼・会長挨拶文)

爽秋の候、



会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のことお慶び申し上げます。
先日はご多忙の中、「壬子会百周年記念事業講演会・祝賀会」にご出席頂き、まことにありがとうございました。

多くの方にご参加頂き、有意義な「講演会・祝賀会」を開催することができました。
これも皆様方のご指導とご協力によるものと、心から感謝いたしております。

また、不慣れなことで不行き届きの点が多々ございましたこと心よりお詫び申し上げますとともに、今後ともよろしくお願いいたします。

祝賀会会場での大塚会長からの挨拶文を、下記にUPいたしました。



大塚会長記念祝賀会挨拶文

去る5月に開催されました壬子会の総会におきまして会長にご推挙いただきました、1971年卒の大塚でございます。僭越ながら記念祝賀会の開催にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
 
 壬子会の設立100周年を迎えるにあたり、4年間にわたり行われました記念事業の総仕上げとして、記念祝賀講演会と記念祝賀会を計画し、皆様にご案内しましたところ、多数のご来賓のご臨席、同窓生各位のご参加を得て、かくも盛大な記念式典を開催できましたことを、こころより感謝いたします。
 
 九州大学工学部は,1911年1 月,九州帝国大学工科大学として発足しましたが,発足当時の6学科の一つが土木工学科であります。壬子会はその名が示しますように1912年のえと「壬子」の年に発足しております。
 
 その当時の我が国は、明治における近代産業国家の礎たる近代港湾の建設、鉄道網の形成に邁進しているころであり、鹿児島本線の全通が1909年のことであります。しかし、まだ我が国の土木技術はつたなく、例えば1912年に完成した山陰線の餘部鉄橋に使用された鉄塔形式の橋脚は全て米国からの輸入であります。
 
 その後の大正・昭和初期の土木事業は、河川改修工事、ダム建設、トンネル工事、地下鉄建設、水道事業、港湾建設などの諸分野に拡大しており、それらの事業に多くの壬子会会員が活躍されました。一方で例えば、土木学会の「戦前土木名著100選」を見ますと、第1期生の鈴木雅次先生の港工学、第3期生の稲田隆先生の鉄道工学、第5期生の鷹部屋福平先生の架構新論が選ばれており、壬子会は優れた研究者・教育者も早くから輩出していたことがわかります。なお、第1期生の鈴木雅次先生は1944年に第32代土木学会会長に就任され、1968年には臨海工業地帯による日本経済発展の基礎を確立された御功績により、土木界初めての文化勲章を受章されています。
 
 その後、時代は戦後復興へと移ることになりますが、国土総合開発政策のもとで行われました、例えば多目的ダムの建設は治水・灌漑・発電を通して我が国の戦後復興を支えました。また、1956年ワトキンス道路調査団の報告書の翻訳において「日本の道路は信じがたいほど悪い。工業国にしてこれほど完全に道路網を無視した国は、日本のほかに無い」の名翻訳をなされたのは、1941年卒の三野定氏であり、その後、氏は自ら高速道路の建設に邁進されました。1958年開通の関門国道トンネルに20有余年の長きにわたって責任有るお立場で関わられましたのは、1935年卒の住友彰氏でありました。
 
 さて、1930年卒の水野高明先生は日本のコンクリート技術を支えた碩学のお一人で、九州大学学長もお勤めになりましたが、先生が工学部長であられた1963年に、水工土木学科が新設され、爾後、学部卒業生80名を輩出する土木系2学科として九州大学工学部発展の一翼を担って参りました。
 この時期は大都市への水不足を解消するために制定された1961年の水資源開発促進法の時期と重なり、多目的ダム事業が戦後の高度成長を、利水・治水・発電の面から支えることになります。同時にこの時期は、1962年開通の若戸大橋を皮切りに、天草五橋、関門橋と、本格的に海峡架橋の時代に入ったころであります。また、1964年の東海道新幹線の開通、1969年の東名高速道路の全線開通と、我が国の均衡ある発展のために道路・鉄道の路線が次々に完成した時期でもあり、これらのプロジェクトの計画・設計・施工に多くの壬子会会員が貢献されました。
 
 その後1993年に土木工学科・水工土木学科は建設都市工学科として一体化され、5年後の1998年に現在の地球環境工学科建設都市工学コースとなりました。また、1988年に設置されておりました工学部附属環境システム工学研究センターは、2008年に循環型社会システム工学研究センターとして生まれ変わり、本年4月には工学研究院附属アジア防災研究センターが設置され、ますます多様な人材育成が行われるようになりました。
 
1990年代以降の土木界は、会員諸兄のよく存じ上げられているようにその環境が劇的に変化しましたが、このような社会の変革の中、安全な国土の建設と環境保全のためにその職責を果たさんとする土木技術者は綿々と続いており、いまや壬子会は5100名を越す卒業生と、450名の在学生を有しております。大正・昭和・平成と続く日本の社会基盤整備の中枢を担った多くの技術者を壬子会会員として擁していますことは誠に喜ばしく、また、土木界における評価は極めて高いものと自負しております。
 
 本会は、会員相互の親睦を図るとともに、会員の技術、識見、品格の向上を図ることを目的としており、ご承知のように数多くの事業を行っています。今後ともこれらの行事に対する皆様の積極的なご参加・ご支援をお願い致します。

 今般の百周年記念事業の一環として取り組んでおります壬子会百周年記念誌は、土木系学科の歴史と現況、110名余の皆様からお寄せいただいた寄稿文、60周年記念誌や80周年記念写真集の復刻に加えて、本日の記念事業の内容を盛り込んでの、今年度中の発行とさせていただきます。
 
 最後になりましたが、壬子会のますますの発展と会員皆様のご健勝、ご多幸、ご繁栄を祈念し、記念祝賀会のご挨拶といたします。本日は誠におめでとうございます。
 
壬子会百周年事業記念祝賀会における会長挨拶として   九州大学教授 大塚久哲
(当日は時間の制約もあり、一部、割愛して読み上げました。)

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